合法ドラッグ


毒が薬になる様に
薬が毒になる様に

どうして大事なモノほど上手に扱えないのか
それは己が人より不器用な所為なのか、皆も同じなのか
問うた事は無いから知らないけれど、きっと持て余してる
だってこんなに凶暴なモノ、誰の手に負えるというの
こんなに美しい暴君を

平日の昼間というのはどうしてこう退屈な番組ばかりやっているのだろう
主婦が昼間のこの時間をこうした番組を見て毎日過ごしているというのなら
それはもう俺には耐え難い拷問でしかない
チャンネルを回してみてもどこも興味を惹かれるような内容は見当たらず
最後に回したチャンネルに映ったのは所謂、昼メロ、というものだった
画面には男に縋ってヒステリックな声を上げる女

『もうあなたなしじゃ生きていけないのよぉっ!』

その台詞に反射的に体が強張った
こういったドラマにはよくある、台詞なのに、
こんな陳腐な言葉にどうして動揺するのだろう

力を手にした者が独裁を行う様に
新しいおもちゃを使わずにはいられない様に

「そんなの、」

珍しく暇を持て余したから、普段見もしないテレビを見たりしたから
やっぱり碌な事にならない。運が悪かった。
そして、なぁ、どうしてアンタの顔が浮かぶんだろう

何とも言い得ぬ感情が渦巻いて、苛々する。
(くそっ!)
感情的になってテレビの電源を落として漸く俺は落ち着いたが
居心地悪くなって足早に休憩室から抜け出すと

おやまぁ、

そんな間抜けな声がして俺の前に男が立ちはだかった

「ザックス」

邪魔だ、という意思をありありと表して呼んでみるも
彼は平生と変わらず明るい表情のままだった
退く気が無いのならさっさと避けて通ってしまおう
そう、俺がザックスの横を通り抜けようとした時、彼の腕が俺を捕えた

「可愛い顔が台無しだぜぇ?オニイサン」
「悪かったな、元から可愛くないんだよ」
「そう苛々すんなよ、飯でも食いに・・・」
「行かない!」

どうしてそんなに躍起になっているのか自分でさえ分からなかった
構われるのが面倒で、只管に一人になりたいとだけ思っていた
放っておいてくれればいい
何も、何も、俺に残さないで
アンタの手は、少し、温かすぎる

「炯、なんでだよ」

傷ついた顔のザックスを見ることが出来ずに顔を逸らした
自分から突き放した癖にそれを後悔するのがまた苛々する
中途半端で、どうしようもない
温かさを知ればまた欲しくなる
それなら最初から手にしない方が、ずっといい
そう思ってきた筈なのに

「アンタといると、俺じゃなくなる・・・!
俺は今まで一人で生きてきたし、
今更アンタの手なんか借りなくたって、平気・・・!」

私があなたを愛する様に
あなたが私を愛する様に

『もうあなた無しじゃ生きていけないのよぉっ!』

先程の女のヒステリックな金切り声がぶり返しては繰り返された
気持ち悪い、そんな依存なんて、誰にもしたくなんか、無い

「炯は、強い。
だけど、俺がお前に構いたいの
『すきでいたい』」
「すきでいたい?」
「そう、好きでいたいし、
好きで居たい、
好きで、痛い」

私があなたを苦しめる様に
あなたが私を苦しめる様に

誰かを傷付けない恋愛なんて、きっと成立しないのです

「な、に、ソレ」
「もっと、もっと苦しんで?
俺の為に、お前の為に、傷ついて欲しい」
「弱さなんか、要らない
痛みなんか、嫌い
弱い自分は、もっともっと嫌いだ」
「人を想う事は弱さじゃない
人を頼る事は弱さじゃない」
「俺には要らねぇの!」

木の上方についた大きな果実
それはとても美味しそうで、けれど届かなかった
だから私はそれを恨めしく思った
「あれはきっと酸っぱいに違いない」
そうやって逃げるだけ

「そんなもの・・!」

何時だって触れられると泣きそうだった

こんな感情誰が上手に扱えるの?
賢者だって、聖者だって、きっと知らない
涙が零れそうになる訳を、触れられる手の温かさを、
その訳を

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ロッドってタークス入ってもしレノがいなかったとしたら
結構すれてただろうなーとか勝手に妄想しながら書いてました
実は祭のロドザクと意識的に雰囲気似せてみました
というわけで今更な10000HITのお礼
アンケの1位×2位なんてしたら「ザクロド」に
なんか楽しくない話で申し訳ないなぁorz

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