爪を立てて
――――炯が捕まった。
連絡を受けてから3日が過ぎようとしていた
始めはマリアとルカが救出に向かったが、どこの収容所を当っても炯は見つからず、
かとって脱出できた、という報告も無かった。
流石に緊急事態と判断したツォンが仕事が終わった後、動ける者全員で捜索に当る様に指示した。
グシャッ
ロッドが骨を砕く感触を伝える。
レノは男の折れた腕を掴んで床に叩きつけた。
男の悲鳴が広間に木霊する。耳障りな呻き声がして思わず蹴り上げた。
「なぁ、捕まえたタークス、いるだろ?どこにいんだ?」
床に倒れこんでいる男を見下して、問い掛ける。レノの表情は仮面を着けている様に動かない。
レノが折った腕が激痛を与えているのだろう。
男はヒュー、ヒュー、と苦しそうに息をするだけで何も答えない。答えられない。
「なあ、どこだ? 答えろよ、と」
留めを刺そうとロッドを振り下ろそうとした腕を誰かに掴まれ、
レノは苛立った表情でゆっくりと振り向く。
「ルード」
邪魔すんな、
睨みつけるレノの狂相はそうと解る程の殺気を纏っており、
ルードはサングラスに隠された目を気付かれない程度に細めた。
レノの、こんな姿見るのは何時振りだろうか
普段、飄々とした態度で何にも心を乱されないように見えるレノが
あからさまに怒りを表に出すのは最近では決して見た事が無く、
レノと同じ武器を持った茶髪の少年に、少しばかりの羨望を覚えた。
「レノ、殺してしまっては意味が無い」
ふぅ、と溜め息を吐くルードを数秒睨みつけてレノはチッ、と舌打ちをして腕を下ろした。
先ほどまで纏っていた殺気もすっかり消えたようだった。
「しゃあねえ、次行くぞ、と」
気絶してしまった男をつまらなそうに見遣ると、レノはロッドを担いで出口へと歩き出した。
レノの握り締めた掌に爪が食い込み、流れ落ちる血が床に落ちていった
床についた血痕を見てルードはまた溜め息を零した。
強く握り締めた手が、レノの思いを表しているように思われた
2人は暫く無言のまま歩き続けて外に出る。
明るい光を浴びて眩しそうに目を細めたレノは
「ルード、本部に行くんだろ?じゃあな」
と片手を上げて反対方向へ歩き出してしまう。
「レノ、今夜はちゃんと寝ろ」
少し大きめの声で呼びかけるとレノからへー、等と気の抜けた返事をされる。
その返事が余りにも信用できなくて、ルードはレノの肩を掴んで振り向かせた。
「レノ!お前ここずっと寝てないだろう!
幾ら焦っても炯が見つかる訳じゃない」
ルードの言葉にレノはカッと頭に血が上って顔を歪めた。
「だまれ!」
肩を掴んでいる腕をレノの両手が掴んで突き放そうとする
力を込めるレノの手の爪がルードの腕に立てられてチリチリとした痛みを与えた。
「待ってるなんて痛くて耐えられねぇんだよ!」
レノが意外にも苦しそうな表情をしてるのに驚いて、ルードは腕から力を抜いた
もし、少年の帰りを待つ時の心の痛みが、この立てられた爪の痛みに似ているとしたら
じわり、じわりと狂っていってしまう様な気がした。
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アイター!イタタタタ!痛いのはレノじゃなくて
あたしでした。なんか血噴出しながらフルマラソンしたくらいいてぇぇ!
ほんのりルーレノ。(ノ´∀`)
一向に進む気配を見せないこのSS。アッハッハッハ
お題クリアできてない感モリモリだよ・・orz
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