薔薇


何時になく、憂鬱そうな瞳が悲しみで揺れる。
クラウドは其処に居る筈なのにフワフワと何処かに消えてしまいそうに、儚い。
俺が瞬きをしたら目の前から居なくなってしまいそうな、

「如何したの?」なんて、愚直に聞けるほど、子供じゃない
だからと言って、上手い言葉が出てくるほど、大人にもなれなくて
歯痒さに口を閉ざしていると、クラウドが唐突に、口を、開く。


「ザックス、生まれ変わったら俺はもう恋なんかしない、もうしない」

その瞬間、俺は彼の悲しみを、知りました。
そして同時に、俺の中に悲しみが生まれた瞬間でした。

「絶対に、しない」

クラウドはその恋を否定する事で、俺の恋も同時に否定するのか!
なんて残酷であまりにも哀しすぎる。
優しい嘘より、意地悪な真実の方が苦しい。

「どうしてそんなかなしいこというの?」

俺の言葉にクラウドは、小さく笑って

「ごめんね、ザックス」

笑顔は余りにも痛々しくて直視する事が出来そうにも無い。

彼のごめんは、一体何に対する謝罪なのだろう。
俺に打ち明ける事で自分の重荷を背負わせた事なのか
俺の恋を否定した事を知っているのか、


鋭い棘で隠しているけれど、

彼の脆弱な心はきっと硝子よりも壊れ易くて、とても、とても、手を伸ばせそうにもありません。


漏れる言は薔薇のやう 寄りても触れるにあたわず



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がんばれザックス!!

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