夜に笑え
夜の闇に融ける黒スーツは、色々な点で機能的に作られているらしい。
ロッドがそう思ったのは、ターゲットの返り血が黒に紛れて見難くなったのを見たからだった。
それとも、殺すターゲットへの弔いの喪服かはたまた自分への死装束か
(どうでもいいか、)
「いたぞ!タークスだ!」
アバランチ兵が叫び、辺りの静寂を破って一気にざわめきたった。
その声を聞きつけたアバランチが次々を集まってくるのに満足げに口元を吊りあげた。
「は!来いよ!まとめてブッ飛ばしてやる!!」
ロッドは武器を構え直して敵の集団に飛び込んだ。
素早く懐に入り込んで相手が動く前に急所に叩き込んだ。
「なっ!」
「雑魚に俺が殺れるかよっ!」
「止めろ!タークスを行かせるな」
一振り、二振り、敵がバタバタと地面に倒れる敵を確認するのも億劫で、ロッドは我武者羅に前に進んだ。
銃声と叫びが鳴り響いて耳が最初にイカれる。次に、頭。
「俺とまともに戦えるやつもいねぇのかよ」
無性に、イライラする。
「さようなら」
「ひっ・・・!」
ロッドを振り下ろして最後の一人を殺すとロッドは人の気配に後ろを振り返った。
「神羅に裁きを!」
(あれ、まだ一匹残ってたのか)
構えられた銃に臆するでも無くロッドは魔法を発動するべく構えを変えた。
「裁くのは俺だぞ、と」
銃声より、魔法の派手な破壊音より先にその声が響く。
アバランチ兵の体が崩れ落ちて、後ろから赤い男が現れた。
「なんでアンタが来るんだ」
「あんまり遅いから心配したんだぞ、と」
「は?アンタが?ありえない」
「ツォンさんが」
ああ、成る程。
あの冷静な仮面の下の素顔が誰よりも優しい。あの主任。
任務に就かせる度に誰よりも苦しそうに顔を歪めるあの人は部下を誰よりも心配してくれる。
「ふぅん、で アンタが借り出された訳か」
「そーゆーこと、と。終わりだろ。帰るぞ」
「ああ・・・」
ふ、と路地裏を抜けようとした時、ロッドの携帯が胸ポケットで小さく振動した。
「はい」
「ツォンだ。ロッド、ご苦労。悪いが研究室から近くにモンスターが逃げ出したそうだ。探し出して抹殺してくれ」
「リョウカイ」
「俺も付き合うぞ、と」
「あっそ・・・」
「見つけたら連絡する」
「リョウカイ」
それを合図に二人が反対へと駆け出した。
2→
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